こんにちは。相続コンサルタントの辰巳博です。
相続ってややこしいと思っておられませんか?
それには3つの理由があるんですね。
①経験が少ない
一般的には、相続を経験するのは一生の間に二度。
つまり、あなたのお父様が亡くなった時、次にお母様が亡くなった時です。
②人はいつ亡くなるか分からない
基本的に人は、いつ死ぬか、何処で死ぬかを選べません。
もちろん例外はあります。
自殺はしちゃ駄目ですよ。
老衰やご病気が進行して、余命○ヶ月と宣告されているご家族もいらっしゃったらごめんなさい。
③相続の専門家を知らない
相続が気になっても誰に相談したらいいか分からない。
また、何を相談したらいいのかもはっきりとしない。
相続は多くの人が必ず経験するにもかかわらず
その多くの人がほとんど何も対策をされない。
上記の3つの理由があれば、この問題を先送りにしたくもなりますよね。
でも安心してください。
私辰巳が相続の専門家として
みなさんが食わず嫌いになっている相続について
ちゃんと取り組んでもらえるよう、分かりやすくお伝えしていきますね。
・70歳以上の親がおられる人
・相続のことが気になりだした人
・相続の相談を誰にしたらいいのか分からない人
木を見て森を見ず
相続の相談を数多く受けてきて一番感じるのはこれです。
相談に来られる方は
相続に関する問題を抱えておられます。
今さら何を、って感じですね。
あまりにも当たり前過ぎるでしょうか?
結論から言いますね。
お客さまが抱えておられる相続問題は
相続問題の全てではないということが言いたいんです。
どういうことかというと
お客さまも気づいていない相続問題が
隠れていて表に出ていない、ということです。
それを気づかずに
結果として後回しにしてしまうことで
相続問題がより複雑になってしまう場合があるんです。
なので
気になる相続問題を解決する前に
相続の全体を俯瞰することから始めなければいけません。
相続対策
まず前提として
正確な言葉の定義を覚えてください。
一番多く勘違いされているのが
「相続対策」とは
お金(財産)をたくさん持っている人が節税することである。
こんな風に思っておられる方が多いのですが
あなたはいかがでしたか?
まず
『相続の発生』:人がお亡くなりになるということです。人は亡くなると、必ず相続が発生します。
『相続』:亡くなった人の財産上の権利義務を相続人に引き継ぐということです。
「権利」とは一般的に財産のことです。
「義務」とは債務、つまり借金のことです。
相続って
プラスのお金だけではなく
マイナスのお金である借金も引き継ぐんですね。
実はもう一つ、隠れている相続があるんです。
それは、親の想いを引き継ぐということ
こちらを優先することのほうが
大切なのかもしれません。
これをないがしろにするから
親が相続の話しに乗ってくれない
なんてグチがでるわけですよ。
相続手続き
相続の発生から後にやることが『相続手続き』です。
つまり亡くなってからやるのが、相続手続き。
相続の発生から前にやることが『相続対策』です。
つまり生きている間(元気な間)にやるのが相続対策
死んでからやるのが、相続手続き
ここのところを一緒くたに理解されている人が多いです。
相続対策≠節税対策
相続対策というと、こんな風に言われる方がおられます。
「内の家は、お金ないから相続って関係ないわ。」
これはおそらく
お金が多くないから相続税はかからない、
だから我が家には相続は関係がない、とおっしゃってるんですね。
実は相続税って
相続対策の一部でしかないんですね。
実際に
数年前に相続税法が改正されて
相続税の対象者が増えましたが
それでもお亡くなりになった人の9%くらいです。
相続対策=争族の防止
相続対策というのは
相続のトラブルを防止することなんです。
「内の子どもたちは仲が良いから、もめるなんてことは心配してないよ。」
親が心配してなくても
お金がからめば
仲の良さそうに見えた兄弟でももめることがあるんです。
表面上、大きな争いにはならなくても
内面で納得しないお子様はいるんですよ。
相続の専門家は誰?
相続対策で何をするのかを
士業の先生(税理士など)に聞いたとしたら
次のように答えられるでしょう。
対象となる人(多くの場合に高齢のお父様)の財産を調べてください。
相続税がかかるかどうかを調べます。
相続税がかかる場合には、どれくらいかかるのかを試算します。
納税資金が用意できるかを調べましょう。
節税方法を考えます。
どのように分けるか相談してください。
一般的に、税理士先生に相談をするとこのような流れになります。
特に問題はなさそうですね。
いやいやそんなことはありません。
私の言葉を思い出してください。
財産を調べる前に
相続税や節税を考える前に
相続の全体を俯瞰しましょうね、と最初にお伝えしました。
何から考えるかと言うと
一言でいうと
親は自分の財産をどうしたいと考えているのか?
あなたやご兄弟はどうしてほしいと思っているのか?
例えばね
親は自宅を長男に見てほしいと思っている。
でも長男は、田舎の実家に戻るつもりがない。
さらに
高齢の親は今からの人生を何処でどんな風にしたいのか?
介護が必要になったら、誰にお世話をしてほしいのか?
家族関係をじっくりと眺めれば
抱えている相続問題が浮かび上がってきます。
税理士は
相続の専門家ではなく、税の専門家です。
司法書士は、
相続の専門家ではなく、登記の専門家です。
弁護士は
相続の専門家ではなく、相続トラブルが起こった時の専門家です。
行政書士は
相続の専門家ではなく、行政書類申請の専門家です。
まとめ
何か相続のことが気になった時に
知識の収集としてネットサイトを利用されるのはいいと思います。
ただし、その通りに実行することは控えてください。
理由は
相続問題は、100人いれば100通りです。
ネット情報は、一般的には正しいかもしれませんが
あなたにとって最善とは限らないからです。
次回のコラムでは
何から全体を俯瞰していくのか
分かりやすく説明していきますね。