2020年も残り3カ月、年末に近づくと「ふるさと納税」の話題がニュースでも良く取り上げられますよね。ただ、「ふるさと納税」という言葉を聞いたことはあっても、具体的にどのような制度なのか知らない方も多いのではないでしょうか?
そんな方は是非、本記事を読んで「ふるさと納税」の概要を知ってもらえると嬉しく思います。
ふるさと納税とは?
「ふるさと納税」とは、応援したい地方自治体に対して寄付をすることで、その対価として特産品(返礼品)をもらえるだけでなく、寄付金が税金から控除される制度です。
実は、「ふるさと納税」は2008年から制度が開始されており、10年以上もある制度です。2008年以前は寄附金控除のみで、贈呈品はありませんでした。2008年以降、贈呈品という寄付者のメリットが加わったことで制度の知名度も上がり、全国に広がっていきました。
そもそもなぜ「ふるさと納税」という制度ができたのでしょうか。
総務省は「ふるさと納税」の意義として以下3点を掲げています。
- 納税者が寄付先を選択し、その使われ方を考えるきっかけとなる制度である。
- お世話になった地域、これから応援した地域へも力になれる制度である。
- 自治体が国民に取組をアピールし、自治体間の競争を促す制度である。
「総務省 ふるさと納税ポータルサイト」参照(2020年9月7日アクセス)
確かに、給与から引かれる納税分は実際どのような用途に使用されているのかは、納税者には見えづらく、“ただただお金だけが引かれていく”。このように思う方も多いのではないでしょうか。
その点、「ふるさと納税」は贈呈品という形で、目に見えるもととして還元される制度であり、納税者にとっては嬉しい制度であるといえます。加えて、寄付金分が次年度の税金から控除されるのであれば、一石二鳥ですよね。
ふるさと納税の仕組み
では、「ふるさと納税」の仕組みについて下の絵を見ながらお話しします。
「ふるさと納税」の主な流れは、
- ステップ1:ふるさと納税を受け入れている地方自治体を選択し、寄付金を収めます。
- ステップ2:寄付金に見合う特産品が地方自治体より送られてきます。
- ステップ3:翌年に税金から手数料2000円を除く寄付金額が控除されるよう、確定申告を行います。(ワンストップ特例という申請方法もあります。)
このとき注意したいのが、税金控除となる金額には年収や配偶者の有無などの条件によって上限が設定されています。まずは、自分がいくらまで控除を受けることができるのか調べることが重要です。
「ふるさと納税」には多くの納税サイトがあり、それぞれに簡単にできる上限金額のシミュレーションページがるので是非活用してみましょう。
そこでわかった控除額内で納税を行い、特産品が2,000円以上の価値のあるものであれば得する制度といえます。
「確定申告」と「ワンストップ特例制度」は何が違うの?
それでは、「確定申告」での申請と「ワンストップ特例」による申請では何が違うのか簡単に説明していきます。
結論を先に言うと、それぞれの申請方法によって控除額はほとんど変わらないですが、控除申請の手続きがワンストップ特例制度を活用した方が簡単です。ただし、ワンストップ特例制度を利用するためには、利用条件を満たす必要が有り、それぞれに合った申請方法を選択することが大切です。自分が「確定申告」か「ワンストップ特例」のどちらを選択すべきかについては、下図を参考にしてください。
整理すると、
- 確定申告が不要である。
- 1年間に5つ以内の自治体に「ふるさと納税」を申し込む。
上記の両方に当てはまる方は、申請作業が簡易的に済ませるワンストップ特例制度を使用することをオススメします。
「ふるさと納税」の支払い完了後、申込先の自治体からは特産品と合わせて「寄附金受領証明書」が届きます。この書類は、「ふるさと納税」を行った証明書となり、確定申告やワンストップ特例の際に必要となるので大切に保管してくだい。
知っている?ふるさと納税
ふるさと納税サイトにはたくさんのサイトがあります
「ふるさと納税」を実際に申込むといっても、ネットにはたくさんのサイトがあります。それぞれのサイトで返礼品の傾向が違ったり、ポイント還元やギフト券などのキャンペーンがあったりと特徴があります。
どこを選ぶかは、返礼品の内容やポイントバックが自分の生活に合うかどうかで決めるのが良いでしょう。
例えば、
- 返礼品は特産品や消耗品ではなく家電が選べるサイトを利用する。
- ポイントの面では「楽天ふるさと納税」の楽天ポイントバック制度やAmazonギフト券がもらえるサイトなど、ご自分がよく使うポイントで選ぶ。
といった選び方もあります。
大手のサイトを比較できる横断サイトもありますので、参照すると違いがよくわかります。
しかし中には、ふるさと納税を騙った詐欺サイトがあるようです。連絡先がフリーアドレスである、寄附金自体に値引きや割引があるなどのサイトには気を付けましょう。気になった場合は、寄付をしようとする地方公共団体のサイトでその納税サイトがふるさと納税を扱っているかチェックしてみると良いでしょう。
節税ができる!というのは勘違い?
ふるさと納税で節税ができる、と思われている方もいるようですが、そもそも「ふるさと納税」とは、現在住んでいる自治体に収める住民税を、ふるさとや思い入れのある自治体に寄付という形で代わりに収める制度です。
なので、払う金額のことを考えれば「節税をしている」というのは間違いです。
ただ、返礼品を選ぶことによってその分お得にはなり、そのメリットはあるといえます。
自分の居住地に寄付できる?
自分が住んでいる自治体にふるさと納税をすることはできるのでしょうか?
多くの場合は、
- ふるさと納税をすることはできる。 が
- 返礼品を受け取ることはできない。
となっています。(例外もありますので、検討の際には自治体にお問い合わせ下さい)
返礼品を受け取らない、という項目を選択し、他の地域への寄付と同じように手続きすることができます。
では、返礼品を受け取れないのであれば、自分の居住地に寄付をするメリットは何でしょうか。それは、税金(寄付金)の使い道を選ぶことができるということでしょう。地元の応援を自分の納得した形ですることができますね。
まとめ
本記事では、「ふるさと納税」の概要について紹介しました。ふるさと納税の特徴は、
- 自分が好きな地域に寄付ができる。
- 寄付の使い道が選択できる。
- 「ふるさと納税」の金額に応じた、特産品がもらえる。
- 税金控除が受けられる。
このように、「ふるさと納税」には多くのメリットがあります。「ふるさと納税」がどのような仕組みなのか?と疑問を思った方の参考となれば幸いです。また本記事によって「ふるさと納税」を行ってみたい!と思っていただけると嬉しいです。