お金の「戦術」だけで満足していませんか?

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こんにちは。林FP事務所の林です。

ライフプランニングを上手に立てるためにはどうすればよいのでしょうか。答えから言うと、「戦略」と「戦術」をしっかりと理解してプランニングする必要があります。

でも、戦略と戦術の違いって説明できますか?なんとなく知っているつもりだけど、人に説明するとなると上手くできない人が多いと思います。

ビジネスの世界では、マーケティングをするときに戦略と戦術の違いをしっかりと理解して具体的なプランを立てていく必要がありますが、「ライフプランニング」を立てる場合も同じです。

戦略と戦術の違いを明確に理解して、自分にとってより有意義な生涯人生設計を立てられるようになりましょう。

この記事のポイント

・人生の戦略と戦術をしっかり理解し、正しく使い分けることができる

・ぼんやりとした人生の悩みを明確にし、対処するための概要を知ることができる

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戦略と戦術の違いってなに?

実際にライフプランニングを立てるときの戦略・戦術とは以下のことを指します。

  • 戦略 … 人生の目的を達成するための最上位の方策やシナリオ
  • 戦術 … 戦略を達成するための個々の具体的な取り組み

つまり戦略とは、自分が進むべき道、進みたい理想を具体的に掲げることで、戦術とはその目的を達成するためにすべきこと、となるでしょう。

わかりやすく例えると、旅行の計画を立てている東京に住む人が、福岡に行こう!と決めたとしましょう。これが戦略にあたります。「福岡に旅行する」という戦略を立てたわけです。

では、実際、どの交通手段を利用して福岡に行くのでしょうか。これが戦術にあたることになります。時間をかけたくないので飛行機を使うのか、時間がかかっても良いから景色を楽しむために新幹線を使うのか人によって状況は様々です。

このようなイメージで、まずはしっかりと「戦略」と「戦術」の違いを理解していきましょう。

人生の戦略とは

ライフデザイン

まず、人生の戦略を立てるためにライフデザインを描くことが必要です。ライフデザインとは、「将来、自分はどのような人生を送りたいか」という人生設計のことです。

ライフデザインを描く段階では、自分の理想像で設計しましょう。出来る出来ない関係なく理想が叶う前提で構いません。

また、損得抜きで考えるようにすることを心掛けてください。現実論は後で考えれば良く、損得を考えすぎると人生の質が下がり楽しい人生を送ることができなくなるかもしれません。

お金はとても大切ですが、あくまでもお金はやりたいことを叶えるための道具や手段と考えましょう。お金を稼ぐこと自体が目的ではありません。

昭和の時代などでは学歴を得るために少しでも良い大学に入り、一流企業に就職し終身雇用で定年まで働き、その後悠々自適な老後生活を送るというのが理想的な唯一のライフデザインでした。

ですが現代は、人生100年時代ともいわれ、転職も一般的となり数十年後の年金事情がどうなっているか誰にもわからない不透明な時代が続くことも想定されます。

そのため、本人が望む望まずにかかわらず、多種多様な人生設計を立てることが必要な時代となりライフデザインを描くことが必須になっています。

ライフプラン

では、ここからはライフプランについて説明していきましょう。

ライフプランとは、ライフデザインを支える人生全体の資金計画のことをいいます。ライフデザインをもう少し具体的に思い描き「今現在」を深く分析して現状を理解するためにキャッシュフローを作成します。

自分がやりたいことを実現するための次にすべき行動を創り出さなければなりません。

例えば、「家は一戸建てがいいか、そもそも家を持つ必要があるのか」「資産を確保するために投資をする必要があるのか」「実際のキャッシュフローはどうなるんだろう?」などを考えることで、課題が見えモチベーションの向上にもつながり、次の行動に移りやすくなります。

戦術

ここからは「戦術」についてみていきます。先ほどお話しした通り戦術とは、戦略を達成するための個々の具体的な取り組みのことです。具体的な取り組みとはいったいどのようなことなのかいくつかみていきましょう。

具体的な実行手段

  • どうやって投資をするか
  • どうやって就職・転職するか
  • どうやって家や車を手に入れ、維持するか  など

上記のように自分が立てた戦略を達成するために、どのようなことをするのかは挙げればきりがないほど数多くあります。

投資をするを決めたとき、株に投資するだけでなく、売買したときの利益や配当金が非課税になるNISAやiDeCoなど、今は新たに多くの投資対象商品があります。その中から自分にとって最適と思えるものを選択することになるでしょう。

このように戦術では、決めた戦略に対しどうするかがとても重要です。どの手段が自分にとってベストな選択なのかよく考えることが必要です。

そのときの環境やその後のいろいろな状況の変化により、戦術は変わることはあります。仕事のスタイルが想定していた以上に変わったなど、環境や状況変化により戦略までが変わることもあるため、臨機応変に対応する意識が大切です。

まとめ

  • 人生の戦略と戦術をしっかり理解し、正しく使い分ける
  • ぼんやりとした人生の悩みを明確にし、対処するための概要を知る

といったお話をしました。「戦略」と「戦術」のそれぞれの違い、具体的にどう活用するのかがお分かりいただけたかと思います。

時代は変わり、他人の成功している例を真似すれば良いという時代は終わりました。自分の幸せを最大限にするために個人個人がライフプランニングを立てて、それを達成するために適切な戦術を立てることが必要な時代に変わりました。

また、一度立てた戦略・戦術でも、その後の人生でそのまま適用し続けると思わずに、環境の変化によって見直しほうがよいことがあります。

そのときに、変化に適応できる武器をもつことが、その後の人生における大きな安心感を得ることにもなるでしょう。

ぜひチャレンジしてくださいね。

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この記事を書いた人

林 健太郎

林 健太郎

林FP事務所代表。1972年生まれ。大手メーカーに15年間勤務後、2014年に独立。「お金」という、会社員時代とは全く違う分野でコネも実績もゼロから始める。自身の投資哲学を発信するブログとメルマガが好評を博し、保険を販売せずに100世帯以上のライフプラン相談、投資相談を受ける。博士(工学・大阪大学)、ファイナンシャルプランナー(CFP®)。