ファイナンシャル・リテラシーを鍛える、金融情報への接し方とは

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こんにちは。林FP事務所の林です。

突然ですが「ファイナンシャルリテラシー」という言葉はご存知ですか?

リテラシーとは、“特定分野の知識”という意味で使用されることが多く、つまりファイナンシャルリテラシーは金融に関しての特別な知識というように理解してもらえればいいですね。

では早速、ファイナンシャルリテラシーとは具体的にどのようなことをいうのかみていきましょう!

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金融リテラシーと情報リテラシーの関係

まず最初に、金融商品を取り扱うときは、どのように接したらよいのでしょうか。

当然ですが、金融は形の無いものなので、見たり触ったりして判断することはできません。

そのため、得られる情報だけでどのような金融商品なのか判断しなければならなく、情報だけで判断するといっても過言ではありません。このように金融では情報がとても重要な役割を担うことになります。

間違った情報や正しい理解をせずに判断したり行動したりすると失敗してしまう恐れがあるため、情報を正確に活用できるようにならなければなりません。

そのため、情報の取り扱い方、取捨選択が大事になり、情報リテラシーが金融リテラシーを高める重要なポイントになります。

2つの事例

・偽情報
まず、一番大事なことは「正しい情報」を取得することです。誤った情報のもとに推測を立ててもまず意味はありません。偽情報をもとにして行動しても良い結果が得られることはないでしょう。

重要だと思われる情報は「事実確認」をしっかりして、間違った情報に惑わされないようにしましょう。できれば、公的機関など信頼できるところから情報を取得するように心掛けるとよいでしょう。

・紛らわしい情報
例えば、「年利回り12%の預金」と聞いてどう感じるでしょうか。このとき、「金利高いなあ」とか「儲けられる良い商品だな」と感じるかもしれませんが、ちょっと一度疑ってみることも大事です。

よく調べてみると、例えば、税引き前のことであったり、何か別の商品と組み合わせたときの金利であったり、別の条件が付いているようなことも多々あります。

最初に目に飛び込んできた情報がすべてとは限りません。

情報にウソはないのですが、情報が不足して総合的に判断すると想像したほどのメリットがないケースなどもありますので、すぐに判断するのではなくじっくり考えることが必要になります。

実際の対処法は?

では次に、間違った情報や紛らわしい情報に振り回されないようにするためにどうすればよいか見ていきましょう。

「推論のはしご」から学ぶ

人間には「推論のはしご」とよばれる考え方があり、これは、現状を認識してから行動に移るまでには、頭の中で現状を意味付けして推測し結論付けているという考えです。

頭で考えるということは大変な作業なため、面倒になってしまい、この推測をせずにいきなり結論までもっていってしまうという罠に陥ります。そして即行動に移すと、間違った判断を下す可能性が高くなります。

特に現代はネットが普及したことで情報が多く溢れているため、判断が付きにくくなっています。それに合わせ、短期間で結果を求められることも多く時間が足りません。

でも、ここであえて時間をかけてじっくり考えることが大事です。

経験が多いのであればいいですが、初めは情報が多いときはじっくり時間をかけてしっかりとゆっくりと判断しましょう。

外出先などではその場で結論を求められることもあるでしょうが、遠慮せずに、一度家に持ち帰って考えたり、友人に相談するなど、十分な時間を設けるようにしましょう。

抽象化の飛躍(決めつけ)

先程の年利の話でいうと、「年利が高い=得」という結論に直で至ってしまう事は、推論から結論が飛躍してしまっている例と言っていいでしょう。

「いろいろと細かい説明もあるけど、年利が高ければ儲かるだろう!」という自己の世界観が間違った判断を生んでしまいます。この原因は、短時間でよく考えないことが要因です。

やはり、時間をかけてじっくり考えてみるということが重要になってきます。

学び続けることが大切

何か新しい情報を得たときは、まず一度、疑問に思う癖をつけるとよいです。常に「それって本当??」「今どきそんなことある??」などと疑ってみることを習慣づけましょう。

そして、疑問に感じたことを自分で調べたり知識のある人に聞いたりして、その疑問を解決させましょう。仮に自分の考えすぎだったとしても構いません。それがやっぱり事実だとわかったこと、疑問に思って行動したことにも意味があります。

慣れないと大変に感じるかもしれませんが、意識的にやることで、直感的に判断して結論まで飛躍してしまうことを防ぐことができます。

そして、この学び続けることがとても重要です。今まで築いてきた信念や世界観が時間の経過とともに古くなっている可能性があります。

数年前に学んだ事、得た情報が今、正しいとは限りません。世の中は目まぐるしく変化し、新しい情報は絶え間なく出てきて、古い知識では正しい判断ができないケースもでてきます。

学びを促進させるためにも、新しく正しい情報を得られる環境を作ったり信頼できる仲間がいると自分をブラッシュアップすることができるでしょう。

この継続して学ぶことで、事象そのものを客観的に眺めることができるようになり、知識も付いて正しい判断ができるようになります。

まとめ

情報は、時代・環境・その人の嗜好によって、同じ情報でも正解が変わってくることは珍しくありません。

いま現在、自分にとって必要な正しい情報は何なのか、最重視する事は何なのかを常に意識するようにしましょう。そして、常に金融情報へ正しく接することができるようになって、正しい情報をもとに資金をできる限り有効に活用できるようになりましょう。

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この記事を書いた人

林 健太郎

林 健太郎

林FP事務所代表。1972年生まれ。大手メーカーに15年間勤務後、2014年に独立。「お金」という、会社員時代とは全く違う分野でコネも実績もゼロから始める。自身の投資哲学を発信するブログとメルマガが好評を博し、保険を販売せずに100世帯以上のライフプラン相談、投資相談を受ける。博士(工学・大阪大学)、ファイナンシャルプランナー(CFP®)。