節税効果がある個人型確定拠出年金の「iDeCo(イデコ)」ですが、不安や不明な点があるため、具体的なメリットやデメリット、始め方について、相談しながら進めていきたいと考える人は少なくありません。
国民年金基金連合会が運営するiDeCo公式サイトに問い合わせ方法として書かれているのはコールセンターへの電話相談のみで、相談窓口による対面での相談を行うことはできません。
音声情報だけの電話よりも、資料などの視覚情報も使える相談窓口の方が理解が速いというのはもっともな考えです。
特に投資経験の少ない人だと不安に感じることも多く、人から説明を受けながら進めていく安心感は何よりのサービスだとも言えます。
そこで、この記事ではiDeCoの相談窓口に関する情報を紹介していきます。
iDeCoの相談窓口はあるようでない?
まず年金の管理運営を行う国民年金基金連合会はiDeCoの相談窓口を持っていません。
ただしその代わりに、銀行や信用金庫、証券会社が相談窓口、購入場所としての役割を担っています。
それから、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーもiDeCoに関する知識を持っており相談窓口としての役割を果たすことが可能です。
なお、どちらの専門家に相談するかですが、私はファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
銀行や証券会社は販売も行っており、相談の結果、iDeCoを利用すると決めた場合、当然その金融機関での購入を勧められます。「あちらの銀行の方が豊富なラインナップの商品がそろっているのでおすすめです」と言われることはありません。
銀行や証券会社ではそれぞれの会社で購入できる商品に差があります。iDeCoというのは年金制度の名称であり、iDeCoの制度を利用して各会社が推奨する金融商品を購入します。その金融商品への積立額が所得控除として扱われます。
この金融商品は会社によって違いがありラインナップ数や主力商品が異なります。
ですから、そもそもどこの金融機関に相談しにいくかを決めた段階でどの金融商品を選ぶか制限されてしまうのです。
iDeCoとしての節税メリットである「掛け金の所得控除」「運用利益への非課税」「受け取り時の控除」の3つはどこの銀行でも受けられますが、取扱商品のラインナップ数や口座の管理手数料に違いがあります。
取扱商品の多さはそのまま選択肢の幅になりますので、ラインナップ数は多ければ多いほど有利です。
口座の管理手数料については安ければ安いほどコストがかからなくなりますからお得になります。
この取扱商品数の多さと口座の管理手数料の安さを両立しているのはほとんど全てネット銀行、ネット証券であり、それらの金融機関は店舗を持たないため相談窓口もなく対面での接客を行うことができないのです。
そういった理由から金融機関から独立しているファイナンシャルプランナーへの相談をおすすめしています。
iDeCoを含めた投資相談
また、節税効果のある投資はiDeCoだけではありません。同じく税制に優遇がある「NISA(ニーサ)」という名称の少額投資非課税制度があり、年間120万円までの金額で購入した株や投資信託で得た運用益や配当金を非課税にする制度です。
本来これらの利益には20%の税金が課せられるのですが、NISAを利用すればその分のコストがなくなるのです。
年間120万円以内の新規投資ができ、さらに最大5年の繰り越しが可能なため、1年間で最大600万円分の投資に関する運用益と配当金が非課税となります。
iDeCoでも運用益が非課税ではありますが、iDeCoの場合、会社員の年間掛け金はもっとも多くて27万6千円であり、NISAの上限から計算すると20分の1以下の金額にしかなりません。
また、iDeCoでは掛け金を原則60歳までに引き出すことができません。子供の大学受験や住宅の購入など大きな出費が必要になる可能性があり貯蓄に余裕がないという状況であればiDeCoはおすすめできません。
その状況で節税効果の高い投資を行いたいのであればNISAの方がおすすめとなります。
ファイナンシャルプランナーを相談窓口とする場合、iDeCoだけではなく、iDeCoを含めた総合的な投資の相談が可能になります。
FPはお金の専門家であり人生設計、トータルプランニンングの観点からお金のため方、使い方の提案を行います。
資産運用以外にも、保険、介護医療費、老後の生活設計など幅広い観点から最適なマネープランを提案することができます。
まとめ
iDeCoの相談窓口としてオススメなのはファイナンシャルプランナーです。その理由はFPが金融機関とは独立した存在であり、公平な視点からアドバイスを行うことができるからです。
またiDeCoだけでなく、iDeCoを含めた総合的な資産運用の相談を行うこともできます。
グーグルやヤフーの検索窓に「お住まいの地域名」+「ファイナンシャルプランナー」と入力し検索してみてください。FPが検索結果に表示されますので、iDeCoに関する相談を検討してみてください。