iDeCoとNISAの違いを知って、脱、投資初心者!

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広告でiDeCoやNISAというキーワードを目にしたこと、耳にしたことは無いでしょうか?

節税になるという特徴が有名ですが、具体的にどのように税金が抑えられるかは調べる必要があり、そこまでやるのは面倒だから見なかったことにするという人も多いです。

そこで、この記事では、iDeCoとNISAの簡単な説明、損はしないのか、どんな人が取り組むべきかを紹介していきます。

iDeCoとNISAの税制優遇内容まとめ

まず、iDeCoは個人型確定拠出年金という制度で、読み方はイデコです。

アルファベットの「i」が個人の意味である「individual」の頭文字を、「DeCo」が確定拠出年金を意味する「Defined Contribution Plan」の頭文字を取ったものです。

毎月一定額を支払うことで、老後に年金または一時金として受け取れるものです。

特徴的なのは、毎月支払う掛け金が所得控除として扱われることです。

例えば所得税を計算するときに、所得税は年収の全てにかかるのではなく、年収から控除額を差し引いた金額に課税されます。

iDeCoに月1万円分の掛け金を支払うと、年間で12万円所得税がかかる額が減るということになります。

所得税は累進課税なので、少ない控除額でも税率が下がる可能性があり、大きな節税につながることも珍しくありません。

また、資産運用で利益が出た場合、運用益に対し通常およそ20%の税率がかかりますが、iDeCoで投資した分は非課税となります。

それから、老後に一時金や年金で受け取る際に、一定金額の控除がなされます。

所得控除、運用益への非課税、受け取り金への一部控除の3つがiDeCoによる節税となります。

次に、NISAは少額の投資に対し、課税を行わない制度の名称で、読み方はニーサです。

通常、株式や投資信託を運用して、売買時に利益や配当が出れば、その増えた分の金額に対しておよそ20%の税金がかかります。しかし、NISAを利用すると年間120万円以内の投資分で得た利益に対しては税金がかかりません。

なお、その120万円以下の運用資金は5年間非課税対象として繰り越しすることができ、5年以上経過すると課税対象に変わります。

iDeCoでは収入の一部を非課税対象にするため資産運用にまわし、NISAは資産運用で得た利益に税金がかからない制度となります。

またiDeCoは年末調整や確定申告にて申告が必要です。一方、NISAは非課税なので確定申告は必要ありません。

60歳前に必要か、老後資金かで判断

iDeCoの注意点として、支払った掛け金は原則として60歳以前に受け取ることができません。

ですから、60歳になる前に必要になりそうなお金をiDeCoにまわしてはいけません。

また、iDeCoは加入期間が10年未満の場合、60歳になっても受け取れません。

加入期間が短ければ短いほど受給できる年齢が上がり、もっとも遅い場合、2年未満の加入期間だと受け取れるのは65歳からとなります。

国民年金や厚生年金の支給開始前に受け取ることを目的としている場合、もっとも若い60歳で受け取りたいのならば、10年以上iDeCoに加入する必要があります。

50歳以降にiDeCoを利用する場合、60歳では受給できないことに注意してください。

なお、NISAは20歳以上であること以外に年齢制限はありませんが、新規投資できるのが2023年までと決定しているため、その点は注意してください。

投資したい金額で判断

iDeCoとNISAそれぞれ投資できる金額に上限があります。iDeCoは少々複雑で、NISAはシンプルです。

まず、iDeCoでは職種が自営業か会社員、専業主婦かによって大きく分類されます。

自営業者がもっとも上限額が高く、月額では6万8千円、年額では81万6千円まで掛け金とすることができます。

次に会社員ですが少々複雑です。企業型確定拠出年金に加入していれば月額では2万円、年額では24万円が上限に、加入していなければ月額2万3千円、年額27万6千円が上限となります。

iDeCoと同じ確定拠出年金で紛らわしいですが、こちらは企業型で、iDeCoは個人型です。勤めている会社を通して加入しているものが企業型で、個人的に銀行や証券会社に申し込みをするものが個人型です。

会社員にはもう一つ上限額のパターンがあり、確定給付年金に加入している場合、上限額は最低である月額1万2千円、年額14万4千円となります。

また似たような年金名称が出てきましたが、こちらは拠出ではなく給付です。拠出との大きな違いは、給付では会社が投資先を決めて資産運用を行い、給付額が確定していることです。

なお、公務員の上限額も確定給付年金加入者と同じ月額1万2千円、年額14万4千円となります。

最後に、専業主婦は月額2万3千円、年額27万6千円が上限であり、確定拠出年金に加入していない会社員と同じ金額となります。

ただし、専業主婦の場合、iDeCoのメリットが受けられない場合があります。それは収入がない、または低い場合になります。節税として、所得控除を受けることで所得税を減らすiDeCoですが、そもそも年収が無ければ意味がありません。

専業主婦やパート収入が100万円以下の方は、所得税や住民税自体がかからないので節税にはなりません。また医療費やふるさと納税など他にも控除があればそちらも考慮する必要があります。

自営業者や会社員でも同じく年収が低い場合節税効果は小さくなるので、とにかく上限額を払えば得をするというものではありません。もともとの所得控除額と年収額を比較して決めてください。

ちなみに月の最低掛け金は5千円です。

続いてNISAの上限額は年間120万円です。最大で5年まで繰り越せるので、毎年NISAに上限いっぱいまで新規投資を行えば合計の非課税対象額は120万円を超えます。繰り越し最大年数が5年なので合計の非課税対象額は600万円が上限となります。

それから、2018年から新たに始まった「つみたてNISA」という制度があります。

NISAとの違いは、年間の新規投資額上限が40万円と3分の1程度であることと繰り越し年収の最大が20年間と長期に渡って非課税枠内で投資を行うことができます。

20年間上限額を繰り越した場合、合計の投資額が800万円となりNISAの合計上限である600万円を超えるため、長期的に見ると非常に大きな額を非課税で運用することができます。

投資したい商品で判断

iDeCoでは掛け金を定期預金や投資信託に投資します。iDeCoで投資できる商品は一つではありません。商品数は銀行や証券会社により異なります。

投資信託の場合、値下がりによる元本割れのリスクがあります。逆に、定期預金の場合、元本割れはありませんが、利子率が低いのがデメリットです。

iDeCoでは運用益に対する課税が無いため、投資信託の方がiDeCoの恩恵を受けられる可能性が高まります。

また、投資信託の中には、価格の変動が少ないものや逆に価格の変動が大きいハイリスクハイリターンの商品があります。

どれがもっとも大きな金額で返ってくるかは、老後の受け取る時にならないとわかりません。値下がりがとにかく耐えられない、運用益に税金がかからないならハイリスクな商品を選びたいなど、性格や考え方によって選ぶべき商品は変わります。

それから、NISAに関しても同様に価格変動の大きい傾向にある商品から小さい傾向にある商品まで複数の商品があります。

iDeCoと同じく運用益に税金がかからないことも考慮して銘柄を選びましょう。

なお、つみたてNISAはNISAよりも商品数が少ないです。ただしNISAの方が先に終わる予定であり、また、2018年に開始されたばかりの制度なので、今後ラインナップが増えることは十分に考えられます。

どこに口座開設すべき?

iDeCoを取り扱う金融機関はいくつもありますが、それぞれに違いがあります。

特に考慮すべきポイントは二つあり、一つは口座管理手数料、もう一つは取り扱う商品点数です。

まずは口座管理手数料についてです。その名前の通り、金融機関が口座を管理するための金額です。ひと月に数百円という金額で一見やすく思えるかもしれませんが、一年で数千円、十年で数万円になります。

例として、三菱UFJ銀行では431円〜556円であり、ネット証券であるSBI証券では171円と300円程度の差があります。

この2行で比較すると、年間で3,600円、十年で36,000円の差になります。

次に、二つ目のポイントとして、扱われる商品数についてです。商品数が多いということはそれだけ選択の幅が広がるということですので、より自分の考えに合ったものを選ぶことができます。

商品数が多いと迷うと思うかもしれませんが、金融機関からのおすすめもありますので、金融知識が無いから少ない選択肢から選びたいと考える必要はありません。

それから、NISAやつみたてNISAに関しては、比較すべき項目は商品数のみとなります。

通常、株式や投資信託の売買には口座管理手数料ではなく売買時に手数料が発生しますが、NISAやつみたてNISAでは手数料が発生しない金融機関が多いです。なお、先ほど例に出したSBI証券でも手数料は一律無料となっております。

しかし、商品数においてはネット証券が圧倒的に多く、iDeCoと同じ理由ですが、選択肢が多ければより自分の考えに合ったものを選ぶことができるのでおすすめです。

なお、一つ金融機関を勧めるとしたら、iDeCo、NISA共に、上記項目を全て満たしているSBI証券になります。

ただし、一点注意すべき点として、iDeCoに関して、SBI証券にはオリジナルプランとセレクトプランがありますが、低コスト、多様性にこだわり選定された商品が用意されているセレクトプランがおすすめです。

まとめ

一見難しそうなiDeCoとNISAですが、簡単に言えば節税効果のある制度です。

iDeCoでは、所得の一部を資産運用にまわしますが、その運用資金が所得控除になり、また、資産運用で生じた利益に税金がかからず、老後に受け取る際には受け取り金額の一部にも控除が適用されるという3つの節税が含まれます。

NISAでは、少額ではありますが、投資で得た収入に対し税金がかからないため、お得な投資が可能になります。

複数年にわたり積み立てることができるのも特徴です。

なお、「つみたてNISA」というより長期的に節税の恩恵を受けられる制度も追加されました。

節税効果のあるiDeCoとNISAですが、金融機関によって差があります。

特に確認すべき点は手数料と商品数で、手数料がやすく、商品数の多いものとして、SBI証券のセレクトプランがおすすめです。

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この記事を書いた人

マネ賢 マネ賢

マネ賢

マネーの賢泉事務局アカウントです。これからも役立つコラムを公開していきます!