今年も間もなく入学式の季節がやってきますね。
子どもが生まれると必ず必要になるのが学費です。
まだまだ先・・・と思っていても、いざ学費が必要な時になって慌てたくはないですね。
子どもがどこの大学を希望しても応援してあげられるよう、大学の学費について早いうちに調べておきましょう。
大学の種類、何があるの?
日本の大学は、大きく分けると「国立大学」「公立大学」「私立大学」の3種類があります。
よく「国公立大学だと学費が安い」と言われますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
国立大学とは
国立大学は、国立大学法人が設置している大学のことをいいます。一言で言うと、国がお金を出して運営している大学です。
よく国立大学は「学費が安い」と言われていますが、これは国の税金で運営されているからです。
国立大学は、各都道府県に最低1つの大学が存在しています。
国立大学の学費は、どこの大学のどの学部でも基本的に同じですが、医学部や薬学部など6年制の学部は、4年制の学部より2年間の学費が多くかかります。
公立大学とは
公立大学は、公立大学法人が設置している大学です。つまり、都道府県や市町村などの地方公共団体がお金を出して運営しています。
公立大学は、大学所在地に住んでいる人に対して入学金が安く設定されていることがあります。
私立大学とは
一方、国公立大学以外に私立大学があります。
私立大学は「学校法人」が設立して運営している大学です。そのため国公立大学に比べると授業料は高くなります。
大学の学費、それぞれいくらかかる?
学費が安い国公立大学。
そして、学校や学部によって学費が違う私立大学。
実際、学費はどれくらいかかるのかみていきましょう。
国立大学
国立大学の学費は、皆さんが学生だった頃に比べると上がっていた時期がありました。
文部科学省『国立大学と私立大学の授業料等の推移』によると、1990年は入学金が206,000円、授業料が339,600円でしたが、2005年には入学金が282,000円、授業料が535,800円まで上昇しました。
2020年現在は据え置かれており、4年間の学費は入学金と授業料を合わせると約240万円必要です。
2005年からは入学金、授業料ともに据え置かれていますが、今後も据え置かれるという保証はありません。子どもが入学する時になって慌てないですむように、最新の情報はチェックしておきたいですね。
公立大学
公立大学の学費は、基本的に国立大学に準じた金額になっています。
国立大学と同じく、どの学部でも同じ学費です。
私立大学
私立大学は学部によって学費は大きく違っています。
特に文系と理系では理系の方が学費が高く、理系でも医学部や薬学部は学費がかなり高い傾向になっています。
文部科学省が発表している「私立大学等の平成29年度入学者に係る学生納付金等調査」によると、私立大学の入学料の平均額は25万2,030円、1年間の授業料の平均額は90万0,093円、施設設備費の平均額は18万1,294円です。 初年度必要になる合計金額の平均は133万3,418円です。
「ここの大学に入れたら学部は何でもいい」という場合は、行きたい大学の中から比較的安い学費の学部を選ぶこともできますね。
「大学名はこだわらないからこの学部に行きたい」という場合は、いくつかの大学を比べてみるなど早にリサーチしておくといいでしょう。
下宿したら仕送りは?
ここまでは、大学ごと、そして学部ごとに学費をみてきました。
でも、もし子どもが行きたい大学や学部が、自宅から通えない場所だったら学費に加えて仕送りの費用もかかってきます。
2018年4月に、日本学生支援機構が発表した「平成28年度学生生活調査」によると、国立大学に通う学生の約7割、私立大学に通う学生の約7割が自宅外通学をしています。
国立大学は学費が安いものの、学費以外に仕送りなどの費用がかかる可能性がありそうですね。
2019年2月25日に全国大学生活協同組合連合会が発表した「第54回学生生活実態調査」によると、2018年の下宿生に対する1カ月の仕送りは71,500円となっています。
学費の上手な準備の仕方
では、大学の学費を準備するにはどのような方法があるのでしょうか。
少しでも早いうちから計画を立てて準備をしていきたいですね。
児童手当は全額貯蓄
子どもが生まれたら、中学卒業まで児童手当が支給されます。
この児童手当を全額貯金すると、中学を卒業するまでに所得制限限度内の場合で約200万円を貯めることができます。 この金額は、先ほど見てきた国立大学や公立大学の学費の大部分に充当することができます。
まずは、児童手当を全額貯めることから始めていきましょう。
私学や下宿に対応するには?
もし、子どもが他府県の国立大学や私立大学を希望した場合に備えて、別の方法でも準備をしておきたいですね。
学費を準備する方法の一つとして学資保険があります。
学資保険は、親が契約者となって保険料を積み立てていき、あらかじめ設定した満期の年齢になったら満期保険金を受け取ることができます。 学資保険の特徴の一つに、親が死亡した場合それ以降の保険料の支払いが不要となり保障はそのまま継続されるという点があります。
銀行の定期積立を利用するのも一つの方法ですが、2020年2月現在の大手銀行の1年間の定期金利は0.01%と低いのが現状です。
そこで、投資信託を利用するのも一つの方法です。
つみたてNISAは、投資信託を利用して、1年間40万円までを最大20年間運用しながら積み立てしていくことができます。運用で得た利益に対して税金がかからないので、おトクに積み立てていくことが期待できます。 ただし、投資信託は元本保証ではないので、学費として利用しようとした時に元本を下回っている場合もあるというとに注意してくださいね。
最新の制度も知っておいて
2020年4月からは、住民税非課税世帯を対象に「高等教育の就学支援新制度」が始まります。
授業料減免制度 授業料等減免は、各大学等がそれぞれの上限額まで授業料等の減免を行います。
この減免に必要な費用は公費から支出されます。
減免の上限は、国立大学が入学金約28万円、1年間の授業料は約54万円です。私立大学の場合、入学金は約26万円、1年間の授業料は約70万円が減免されます。
給付型奨学金の支給も拡充されます。
給付型奨学金は、日本学生支援機構が各学生に支給します。 国立大学の場合は、自宅生は約35万円、自宅外生は約80万円が支給されます。
私立大学生の場合は、自宅生は約46万円、自宅外生は約91万円が支給されます。 住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生に対しては、年収の目安が約300万円までの世帯は住民税非課税世帯の学生の3分の2、年収の目安が約380万円までの世帯は住民税非課税世帯の学生の3分の1の支援が行われます。
子どもが小さいうちは「まだまだ先のこと」と思うかもしれませんが、学費は必要な時期がはっきりしているので計画をたてて準備をしていくことができます。
必要な時期になって「準備ができていないから」と子どもの夢を叶えてあげられないのは親として辛いでしょう。
少しでも早いうちから、準備を始めてくださいね!