こんにちは。安部智香です。
今年も残すところあと2カ月。
パート主婦にとって、今年の収入は扶養家族の範囲内に収まるかどうか気になる季節ですね。
年末になって「こんなはずじゃなかった・・・」ということがないように、今から「年収の壁」について確認しておきましょう。
・パート主婦
・配偶者控除内で働きたい人
・パート収入以外に収入がある人
税金の壁と戦う
パートで働いている会社員や公務員の妻の中には、「夫の扶養の範囲内で働きたい」という人も多いのではないでしょうか。
でも、一定の「収入の壁」を超えると所得税が課税され、家計全体で考えると手取り収入が減ってしまう場合があります。
100万円の壁
まずは「住民税の壁」についてみていきましょう。
妻の年収が100万円以下の場合、税金は全くかかりません。
でも、妻の収入が100万円を超えると、超えた額に住民税がかかってきます。
住民税は所得割と均等割からなり、両方が課税されない合計所得額が各自治体で決められています。
ただし、自治体によって、その金額は多少違っています。詳しくは住んでいる自治体に問い合わせてみてくださいね。
住民税の額は、年収101万円で約6,000円~7,000円くらいです。たとえ住民税を支払ったとしても、100万円以上は残るのでそんなに気にする必要はないでしょう。
103万円の壁
妻の収入が103万円までの場合支払うのは住民税だけですが、103万円を超えると所得税がかかってきます。
所得税は収入が高くなるにつれて税率が高くなっていきます。課税所得が195万円以下の場合は5%です。
また、配偶者控除(38万円)が外れるため、夫が支払う住民税や所得税の軽減がなくなります。
ちなみに配偶者控除は、夫の収入が給与収入のみの場合、収入が1,095万円を超えると控除額が少なくなっていき、1,195万円を超えると適用されなくなります。
150万円の壁
先ほどお伝えしたように、妻の収入が103万円を超えると夫は配偶者控除を受けられなくなりますが、代わりに「配偶者特別控除」を受けることができます。
配偶者特別控除の金額は、妻の収入によって異なっていて、妻の収入が多くなるにつれ配偶者特別控除額は減少していきます。
妻の収入が150万円を超えると配偶者特別控除が減少していきます。
201万円の壁
妻の収入が201万6,000円を超えると、配偶者特別控除を受けることができなくなります。
社会保険の壁と戦う
ここまでは、妻の収入によって税金が変わってくるということをお伝えしました。
でも、妻の収入によって変わってくるのは税金だけではなく、社会保険にも「年収の壁」があります。
130万円の壁
会社員や公務員の妻の年収が130万円を超えると夫の扶養から外れ、厚生年金や健康保険の保険料を自分で支払う必要があります。
ただし、下記の要件を満たす場合は収入が130万円未満でも社会保険料を支払う必要があります。
・正社員が501人以上
・収入が月88,000円以上
・雇用期間が1年以上
・所定労働時間が週20時間以上
・学生ではない
これらの要件に当てはまる会社でパート勤務をしている場合は、妻の収入が106万円を超えると自分で社会保険に加入することになります。
社会保険料を自分で支払うことで、かえって手取り収入が減ってしまうという場合があります。ただ、年金保険料を自分で負担すると、その分将来もらえる年金額も上乗せされるというメリットがあります。
給与以外の収入は?
妻に、給与以外に収入がある場合は注意が必要です。
副業やフリマアプリの収入に注意
フリマアプリなどによる収入がある場合、一定の要件に当てはまる場合は課税所得に含めることになっています。
洋服や本、食器など、自分にとって「不要な物」を販売してお金を得た場合は税金がかかりません。ただし、貴金属や骨とう品など、1点当たり30万円を超える物を譲渡した場合の所得は課税されます。不用品だからと言っても、高額な宝石などを販売する時は注意が必要です。
また、リサイクルショップで商品を仕入れて、フリマアプリで販売し利益を得るなど、最初から転売目的で仕入れて販売した場合はビジネスとみなされます。
他にも、生命保険の一時金や損害保険の解約返戻金、家賃収入、また仮想通貨の売買による収入などは課税所得になります。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う給付金は?
今年は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、さまざまな給付金が支給されています。
例えば、休業中に休業手当を受け取れなかった従業員に支給される新型コロナウイルス感染症対応休業支援金や特別定額給付金、子育て世帯への臨時特別給付金は、非課税とされているので、収入に含める必要はありません。
妻が働くことで収入が増え、妻のスキルアップにつながるのであれば、あえてこれらの壁を乗り越えてバリバリ働くというのも一つの方法です。
まずは、自分がどのような働き方をしたいか改めて考えて、それぞれの家庭にあった働き方ができるといいですね。