こどもの教育費、いくら必要?(保育園・幼稚園~中学校編)

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可愛い我が子には好きなことをさせてあげたい、良質な教育を受けさてあげたいと思っている親御さんは多いのではないでしょうか?

進路により子ども1人当たりにかかる教育費は大きく変わってきますが、大学卒業までに最低でも1,000万円以上かかると言われています。お子様の将来のために今から計画的に教育費を準備しておきましょう。

それでは、一体いくら準備しておくと安心なのでしょうか?

今回は、義務教育である3歳から中学卒業までにかかる教育費の平均金額を紹介していきます。

ぜひ参考にしてみて下さい。

幼稚園、保育園(平均値)

認可保育園と認可外保育園の料金

お仕事をしている方が子どもの預け先として真っ先に考えるのが保育園だと思います。

保育園は形態がさまざまありますが、ここでは簡単に認可保育園と認可外保育園の保育料をご紹介します。

保育園の保育料は通う園や各家庭により異なるため参考程度に考えて下さい。

保育園の形態特徴平均金額
認可保育園・住んでいる自治体、世帯年収、子どもの人数により異なる
・自治体や年収によっては認可外よりも保育料が高くなることも
1人目 22,970円
2人目 17,555円
3人目 10,406円
認可外保育園・保育園ごとに保育料を設定
・子どもの年齢が低いほど保育料が高くなる
3万~7万円

出典:厚生労働省 平成27年 地域児童福祉事業等調査結果の概況

認可保育園の月額料金は、住でいる自治体や世帯年収、子どもの人数などにより決まります。2万円前後の方が多いですが、自治体や世帯年収によっては高額になることもあります。

また兄弟が同時に認可保育園に通う場合などは、保育料が大きく減額される場合があります。

例えば3人兄弟の場合 1人目 満額、2人目 半額、3人目 無料 と保育料が安くなることも。こちらは自治体の担当窓口で確認してみて下さい。

認可保育園の場合、年間の費用は約28万円です。1歳から通わせると5年間で140万円必要になります。

それに比べ、認可外保育園は保育料を園が設定するため、世帯年収などは関係なく、通っている人はみんな同じ金額を支払います。学年毎に金額が設定されていて、預ける子どもの年齢が低いほど保育料が高くなる傾向にあります。兄弟で入園させると保育料が安くなるなど園独自の割り引きがあることも。

しかし認可保育園に比べ保育料は高く、1ヵ月当たり5万円前後の方が多いようです。

年間の料金にすると約60万円になり認可保育園と比べると倍以上のお金がかかります。

5年間通うと総額で300万円と金額に大きな差が出てきます。

※入園の準備にもお金がかかる!

入園直前、直後の時期にはまとまったお金が必要になります。

筆記用具をはじめとした文房具一式、お着替えやお弁当グッズなど様々な道具を準備しなくてはいけません。

【入園準備費用の目安】

・認可保育園  2万円前後

・認可外保育園 5万円前後

通う園により用意するものが異なりますが、認可保育園は園指定の購入品はなく、比較的準備するものは少ない傾向にあります。

それに比べ、認可外保育園は園服や体操服など指定のものを設けている場合があります。

その場合認可保育園よりも2~3万円程余計に費用がかかります。

また、入園費が必要な場合もあります。

公立幼稚園と私立幼稚園の料金

保育園の場合は授業料・設備費・給食費・延長保育費はすべて保育料に含まれていますが、幼稚園の場合はそれぞれ利用に応じて費用がかかります。

幼稚園は教育施設と位置づけられ、小学校・中学校と同様に費用項目が「学校教育費」「給食費」「園外活動費」と分けられています。

・学校教育費 

授業料、修学旅行・遠足・見学費、学級・児童会・生徒会費、PTA会費、その他の学校納付金、寄付金、教科書代・教科書以外の書籍代、学用品・実験実習材料費、教科外活動費、通学費、制服、通学用品費、その他(学校の徽章・バッジ、上ばき、卒業記念写真・アルバム代等)が含まれています。

・給食費

園生活でかかる費用食費

・園外活動費

家庭内学習費(物品費、図書費)、家庭教師費等、学習塾費、習い事、体験活動・地域活動、その他(予習・復習・補習のための図書館等への交通費、公開模擬テスト代等)を指します。

幼稚園は保育園に比べて預かってもらう時間が短いので、その分習い事や家庭学習などの時間がとりやすく、園外活動費もそれなりの金額になっています。

それでは早速、費用を確認していきましょう。

区分公立幼稚園私立幼稚園
費用内容年間平均年間平均
学校教育費120,738円331,378円
給食費19,014円30,880円
園外活動費83,895円165,658円
月平均18,63843,993
年間合計223,647527,916
3年間合計(3~5歳)649,0881,584,777

出典:文部科学省「子供の学習費調査」(平成30年度)

表を見ると、公立の幼稚園に比べて私立の幼稚園の方がいずれの項目も料金が高くなっています。

金額で見ると約2.4倍の差があり3年間通わせると90万円以上も差が出てしまいます。

しかし、幼稚園に通う園児の約85%が私立の幼稚園に通っているという結果が出ています。幼稚園は私立が全体の約65%を占めていて公立の幼稚園よりも数が多いので、保育園同様に公立の幼稚園に通いたくても入園できないケースがあるようです。

自治体によっては公立の幼稚園がないところもあるようなので確認が必要です。

幼保無償化の概要

2019年10月より、幼児教育・保育の無償化がスタートしました。

主に3歳以上の子どもが対象となり、3歳以上の子どもについては3万7000円を上限に保育料の補助が受けられるようになりました。

幼保無償化は児童手当と違い、世帯年収に関係なく補助が受けられます。

しかし、保育料が完全に無料になるわけではなく、給食費などは幼保無償化の対象外となりますので注意してください。

住民税非課税世帯(世帯年収が約200~300万円)については、0歳から2歳の子供たちの利用料も補助が受けられます。この場合4万2千円までが無償になります。

3歳~5歳の子どもについてはほとんどが無償化の対象となるので、保育料が高額になりがちな認可保育園以外に子供を通わせている家庭にとっては非常に有難い制度ですね。

文部科学省のホームページに幼児教育無償化のイメージ図がありました。

制度の内容が非常にわかりやすくまとめられていますので、こちらも参考にしてみて下さい。

≪画像元:文部科学省(pdf)≫

小学校(平均値、公立私立)

小学校の費用はどのくらい必要なのでしょうか?

公立と私立の小学校の平均金額を確認して行きましょう。

区分公立小学校私立小学校
費用内容年間平均年間平均
学校教育費63,102円904,164円
給食費43,728円47,638円
学校外活動費214,451円646,889円
月平均26,774133,224
年間合計321,2811,598,691
6年間合計(1~6年生)1,926,8099,592,145

出典:文部科学省「子供の学習費調査」(平成30年度)

こちらは文部科学省の調査(平成30年度「子供の学習費調査」)を基に表をまとめたものです。1年間にかかる平均金額は、公立で約32万円、私立で約160万円となっています。

小学校では、就学期間が6年間あることもあって、公立と私立ではかかる費用の差がさらに大きくなっています。6年間でかかる費用の合計は公立で約193万円、私立で約960万円で、およそ660万円の費用差になります。

特に私立の小学校は入学金や授業料、制服、ランドセル、教材費など学校でかかる学校教育費や、学習塾や習い事など学校外活動費の差が大きいようです。

私立の小学校は学校自体が全体の1.2%程しかないので、お子様を私立の小学校に通わせている家庭はそれだけ教育に力を入れているということなのでしょう。

中学校(平均値、公立私立)

次に、中学校の費用はどのくらい必要なのでしょうか?

公立と私立の中学校の平均金額を確認して行きましょう。

区分公立中学校私立中学校
費用内容年間平均年間平均
学校教育費138,961円1,071,438円
給食費42,945円3,731円
学校外活動費306,491円331,264円
月平均40,700117,203
年間合計488,3971,406,433
3年間合計(1~3年生)1,462,1134,217,172

出典:文部科学省「子供の学習費調査」(平成30年度)

中学校の1年間にかかる平均金額は公立が約49万円、私立が約117万円となっていて年間で約70万円弱の費用差が出ます。3年間の合計にすると公立が約146万、私立が約422万円で、およそ276万円の金額差となっています。

これは、私立の小学校と同様に入学金や授業料、制服、指定カバン、教材費など学校でかかる学校教育費の差が大きいことにあります。

逆に給食費は私立だとほとんどかかりません。これは、私立の中学校は給食の制度を導入している学校が少なく、ほとんどがお弁当持参、または学食の利用になるからです。

しかし、家庭の食費が増えたり、お弁当作りの作業が発生するので負担が増えることには変わりありません。

学習塾や習い事など学校外でかかる学校外活動費は、公立、私立ともに年間約30万円強で、それほど大きな差はありません。

公立、私立に関係なく中学生になると部活動等も始まり学校で過ごす時間が長くなります。そのため、学校外活動費が小学校よりも少なくなる傾向があります。

こちらの表では学年ごとの記載がありませんが、学校外活動費は高校受験のある中学3年生の時に一気に高くなる傾向があります。これは公立、私立に関係なく学習塾などに通い始める家庭が増えることが関係しています。

お子様の将来のために計画的に準備を

ここまでいかがだったでしょうか?

公立と私立ではかなりの金額差が出ることがわかりましたね!

今回紹介した12年間の教育費の総額を4つのケースで表にまとめました。

保育園は保育料が家庭により大きく異なるので除外しています。

Points scored
ケース1:全て公立に通った場合  
ケース2:幼稚園は私立、小学校・中学校は公立に通った場合  
ケース3:幼稚園、小学校は公立、中学は私立に通った場合  
ケース4:全て私立に通った場合

出典:文部科学省「子供の学習費調査」(平成30年度)

全て公立に通った場合の金額は約404万円でした。幼稚園のみ私立に通った場合は約497万円です。しかし全て私立に通った場合は約1,539万円と、中学校までの教育費は1000万円を優に超えます。公立の学校に通った場合と比べると金額差も1000万円以上です。

このように子どもの進路により教育費に大きな差が出ることがわかりますね。特に、私立に通わせたいと思っているご家庭は、入学時にまとまったお金が必要になりますので事前の準備が必要です。

やっぱり子どもを育てるのは色々とお金がかかりますね!大切な我が子が希望の進路に進めるように、計画的に教育資金を準備するのがおすすめです。

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この記事を書いた人

マネ賢 マネ賢

マネ賢

マネーの賢泉事務局アカウントです。これからも役立つコラムを公開していきます!